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特待生の「数と質」

高野連の特待生問題についてガイドラインが示されました。

会議では特待生の是非について大きく3案に分かれたようです。
A→大会でベンチ入り可能な特待生は各学年4人まで
B→部員登録できる特待生は各学年5人以下になるよう努める
C→制限なし

ここからは私感です。
まず、Aのようなベンチ入り人数制限は公平性維持の観点から問題があるでしょう。ベンチ入り争いの際に「○○は特待生だから…」といったように野球の技術、人間性とは違う根拠が生まれてしまいます。また特待生とそれ以外の部員を明確に分けることになり、部内、もしくは保護者同士の関係が悪化することも考えられます。

高校野球の特待生がこれだけ大きな問題になる最大の要因は甲子園大会だと考えます。甲子園大会が全国的に非常に大きな影響力を持ちすぎているために知名度向上を狙う私立高校が学業を疎かにしてでも野球に専念させる体制を準備する可能性があるからです。みなさんの地元にも甲子園が無ければ現状ほど有名ではないだろう、という高校がどれだけあるか数えてみてください。
このような状況の中、Bのように拘束力は無いものの特待生部員の上限を定めた場合はどういうことが起こるでしょうか。今までのように野球部員全員を特待生で構成し、急激なチーム強化を図ることができなくなると、新たに強豪校の仲間入りをするのが難しくなり、おそらく現在知名度が高い高校の独占市場を招くことになるでしょう。そうなると特待生での入学を目指す中学生は現在の超強豪校に集中することになり、その他の高校との格差がさらに広がります。この場合、「どこが地区大会を勝ち抜いて甲子園に出場するか」という高校野球の醍醐味のひとつがなくならないとも限りません。


私はCを支持します。特待生の人数制限など必要ありません。野球に秀でた者にはその才能をどんどん伸ばしてもらった方が高校野球のみならず、日本野球の発展にもつながります。
ただし、特待生完全自由化というわけではありません。重要なのは数ではなく質です。

今回のガイドラインで最も評価できるのは、不十分であるものの学業に関する規定が盛り込まれた点です。学校間や地域間の格差があり難しい点ではありますが欠かせないポイントです。
現在の一部の強豪校では特待生は学業を差し置いて野球部の活動を最優先しているのが現状です。そこで学業においては一切特別待遇をしないことを規定したうえで、落第した場合には部活動停止などといった厳しい措置が必要でしょう。野球特待生は野球だけしていれば良いというわけではありませんし、全員がプロ野球の世界で一生活躍していけるわけではありません。特待生としての自覚を持たせるためには学業においても一定の課題を課すことが重要です。学校により学業のレベルも異なるので、その基準は学校に任せても良いでしょう。
もし仮に学業においても特別待遇が行われた場合には厳しい罰則を科さないといけませんが、学業は学校の自主性が極めて高い部門でもあるため、高野連が率先して「野球特待生には学業も必要なのは当然」という空気を醸成していくことがコンプライアンス維持のためにも不可欠です。

また、罰則を科す場合に絶対に避けなければならないのは罪のない選手の出場停止処分です。今回争点となっている特待生問題にしても、私が提案した学業規定にしても違反があった場合は部員に責任がある性格の問題ではありません。それにも関わらず、違反が発覚したチームを出場停止にするというのでは全くの本末転倒です。さらには、これらの問題に関わらず、実際に起こりがちな部員による喫煙・飲酒・暴行・窃盗などといった犯罪行為が原因のチーム出場停止も再考すべきです。確かに重大な問題ではありますが、当該部員のみ出場停止ではなく全く無関係の部員まで巻き込んで処分を科すのはあまり有効な処置ではありません。当該部員により強い反省の念を抱かせるためには必要であるとか、当該部員全てを正確に見つけ出すのが困難な場合もあるなど様々な意見があるでしょうが、それにしても自分には全く罪が無いにもかかわらず高校生活の集大成の場を奪われる有無を言わせずに奪われる選手の無念は想像に難くありません。

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